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薫風会視察研修その1

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admin 2013-2-8 20:24
熊本県合志市役所 
1月28日午後1時30分から午後4時

                  熊本県合志市議会  議 長   池永 幸生
                     〃    総務委員長   木場田 孝幸
                          事務局長    後藤 一男
                     〃   政策部企画課課長 内田 秀一郎
                     〃    政策企画班主査 坂田 寛之

研修
〇コミュニティバス・乗合タクシーについて
 合志市の地域公共交通計画を策定前は、熊本電鉄の路線バス、鉄道、循環バス(市が熊本電鉄に委託)が運行しているが、その多くは市南部の住宅団地であり、公共交通空白地区をカバーする。循環バスも財政負担の問題もあり、最小限のサービスしか提供できていない。隣接する菊陽町には、JR豊肥線が通っているが、駅へのアクセスが不十分である。
などの問題があった。
 このままでは、公共交通サービスの空白地帯が生じ、市民生活における地域格差が増大する恐れがある。また、長期的な視点に立っても、少子高齢化が進むなかで、交通弱者の外出手段確保の必要性は高まり、地球温暖化防止などの環境対策の点からも、公共交通の重要性は高まると考えられることから、平成20年5月に「合志市地域公共交通協議会」を設置、6回の協議会を開催し平成21年1月に「合志市地域公共交通計画」を策定した。
 協議会の構成委員は、合志市副市長・区長連絡協議会・老人クラブ連合会・身体障害者福祉協議会・PTA連絡協議会・熊本電鉄(株)・市内タクシー事業者3社・県バス協会・タクシー協会・熊本電鉄労働組合・自動車交通労働組合(タクシー)・熊本運輸支局・国県市道管理者(国土交通省熊本河川国道事務所・菊池振興局・合志市建設課)・大津警察署・学識経験者(熊本大学院教授)・企業等連絡協議会・商工会の各代表者で構成された。
 そして、地域公共交通計画に定める実証実験等を実施する事になった。
計画の目的としては、市民の買物や通院といった日常生活上の外出手段の確保、地域振興、地球温暖化対策に資する地域公共交通整備及びそれと連動するまちづくりの方針を定め、その実現のための具体的な事業内容及び事業主体等に関する事項を定めることである。
計画区域としては、合志市域を主たる対象とするが、現状の買物出向先など、市民の実生活圏を勘案して、隣接自治体の一部を取り込んだ区域を対象とする。
計画期間は、平成21年度から平成27年度(平成23年度までを初期段階の実証実験とし、平成27年度までを計画実施機関とする。
計画の目標として
1. 市民の移動手段の確保
(1) 地域ごとの生活圏に対応した生活支援交通
(2) 鉄道駅やバスターミナルの拠点性を高める
(3) 市内移動手段の確保
2. 交通渋滞の緩和
3. 安心・安全で質の高い運送サービスの提供
(1) 安全・安心
(2) 乗りたくなるサービスの提供
4. 多様な主体の参加と連携
(1) 全市民の積極的参加(ワンマン、ワンライドの推進)
(2) 観光振興との連携
(3) 市民グループとの連携
(4) 民間事業者との連携

最終年度の平成23年度計画事業では
事業内容として
〇レターバス路線における運行ダイヤ見直しや停留所増設
〇循環バス利用状況に応じたバス車両及び乗合タクシー車両による運行
〇パーク&ライド駐車場に1日駐車スペース設置
〇周知啓発活動を行う「おでかけサポーター」の育成 などがあげられる。
具体的成果及び明らかになった課題としては
 成果として、「レターバス」においては、7月に大幅な便数削減を行ったが、利用者数は減少しなかったため、1便当たりの利用者数が増加した。
 バス車両と乗合タクシー車両による運行により、約3%経費を削減できた。
 課題として、安価な運賃設定であるため、財政負担が大きい。
 1周33.4kmに1時間30分を要するため、路線短縮の要望がある
 昼間の時間帯に長時間運行しない時間帯があるため、増便要望がある。
 タクシー顧客がレターバスを利用するため、売上が減少したと業者から苦情があった。
 「乗合タクシー」においては、同じ路線において各便の利用者数に大きな差がある。
 ジャンボタクシーによる運行は、事業者から運賃の見直しの要望がある。
事業に当たっての見直し及び本格運行への展望では
 「レターバス」は
  運賃やルートの見直しについて、作業部会を設置し検討を行う
  平成24年7月に、左右回り各1便増便したダイヤ改正を実施予定。
  「乗合タクシー」は
  各便の目的を整理し、デマンド型区域運行と組み合せた形態を検討し効率性を図る
  運行形態の効率化を図りながら、より正規運賃に近い契約額になるよう努力する。
 本格運行への展望では、運賃やルート見直し、路線存続や廃止に係る基準や財政負担ルールを協議会で協議し、決定する必要があるとした。

 総合評価として、
 〇レターバス事業ついては、成果指標として一便あたりの利用者数を設定し、12.1 
 人を目標としていたが、ダイヤ改正後6ヵ月平均12.7人となった。しかし、1日
利用者数はダイヤ改正前と比較してあまり変わらないため、今後も利用者数増に向け
た啓発活動に力を入れる。
 〇循環バスと乗合タクシー(定時路線運行)については、循環バスの1便当たり利用者
数に応じた運行形態に変更したことで、経費節減と効率的な運行が実施できた。
 〇運賃以外の収入として、車内広告を募集し、継続運行のための新たな財源としたい。
 〇周知啓発活動として、「おでかけサポーター」養成講座を実施した。地域での周知啓発
活動に限らず、おでかけマップ監修などサポーターが独自に行う活動にも、協議会や
行政が連携を図り、積極的にサポートしていく。

今後の課題としては
 〇財政負担と利用者負担の割合
 〇利用促進のための新たなサービスの創設
 〇運行財源の確保
 〇乗継・デマンド交通への利用者の反応
 〇住民への効果的な啓発運動
  以上の問題を今後検討していく。

質疑応答
Q.バスの巡回コースの決定方法は?
A.循環バスを運行しながら、環状バス(現レターバス)等の実証実験を行った。
  コースについては、地域公共交通協議会作業部会で事務局案を検討し、同協議会で
承認を得る。(乗合タクシー、コミュニティバスのコースも同様に決定する)
Q.バスのコースの見直しは?
A.利用実績、聞き取り調査等の意見を踏まえ、検討する。見直しの基準はない。
  25年度において、公共交通計画の見直しを予定。将来の利用者、運賃収入の目標を
  立て、目標を達成できない路線についてはどうするのか、廃止・見直しの基準を作成。
Q.高齢者や学生の割引について
A.運賃は、障がい者割引等(大人100円・子供50円→大人50円・子供30円)
  未就学児 大人一人につき1名まで無料
Q.交通弱者(買物難民)の救済方法は
A.公共交通の分野ではなし
  社会福祉協議会で「安心生活サポートシステム」で実施中
  (買物、ごみだし、電球交換などのサポート制度 利用者負担あり)
Q.タクシー業者等に補助金は出しているのか
A.通常料金との差額を委託料として出している。
Q.国・県の補助金が45%と言ったが、どのような補助金か
A.23年度に関しては、計画を作成して実証実験を行えば、国から1/2の補助があり、
県費に関しては枠でしか持っていないので、各市町村で案分されて振り分けられる。
Q.運賃100円はどうして決まったか
A.ワンコインで利用ということで、100円に決まった。
Q.バスの停留所の数が多いが
A.市内には約80の行政区域があるので、各行政区域内で停留所をつくっている。



所感
吉野川市では、民間バス事業者が撤退した昭和56年4月から、美郷地区と阿波山川駅を結ぶ生活手段としての代替バスを運行、また、少子化による子ども数の減少から種野幼稚園・種野小学校・山川中学校に通う美郷地区内の園児・児童・生徒の通園・通学の手段としてスクールバスを運行している。
また、合併に伴う分庁方式による分庁舎機能の補完として、吉野川市巡回バスを運行し、高齢者や障害者の交通弱者に対応している。巡回バスは庁舎間を1日4往復し、市民の要望により当初より駐車場の数も見直しながら増設されているが、(9か所)年間を通しても
1日10人程度の利用者数に留まっている。
 今回、合志市のコミュニティバス・乗合タクシーを視察研修で訪れ、行政と市民と業者が協議会をつくり、地域公共交通に真摯に取り組んでいることを学べたことは、大変参考になったと思う。
 吉野川市も今年から庁舎が統合されたのを機会に、鴨島町以外の町村に住む市民が(特に交通弱者)不便を感じないように、市内の公共交通を考え直す時が来たように思う。
 行政と市民と交通関係の民間業者を交えて、協議する場所をつくってもらいたいものだ。
いくら巡回バスを走らせても、1便当たりの利用者数が1.37人では余りにも寂しいものではないでしょうか。



合志市の概要
合志市は、平成18年2月27日に西合志町と合志町の2町が合併して誕生した。
熊本県の県都熊本市に隣接し、熊本空港や九州縦貫自動車道からの利便性も良く、熊本
都市圏の生活拠点を形成している。総面積は53.17km2で、東西12km南北8kmである。
北部地域は、広大な農地に酪農・施設園芸・水稲を中心とした農畜産物の生産が主であり
南部地域は市街化区域による人口が集中し、住宅地の幹線道路沿いには地域に密着した商業の展開が進んでいる。
また、国・県の農業研究センターを初め、IC半導体関連企業等の活力ある工業団地が立地し、職と住環境に恵まれた地域である。

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