吉野川議会平成26年度12月定例会 一般質問
平成26年12月8日(月)16時05分から
1.道路橋梁の災害に対する整備状況について
(1)本年度の台風により被災した道路等の災害復旧事業の進捗は
(2)橋梁耐震化事業の進捗と今後の計画は
2.介護支援について
(1)認知症患者の把握はできているのか
(2)認知症サポーターはどのような取組をしているのが
(3)他の専門機関との連携は
(4)市内グループホームなどの施設数と利用者数及び待機者数は
(質問)
議長の許可を頂いたので、通告書に従って質問を行います。
まず最初に、今年全国各地に大きな被害をもたらせた台風被害について質問
いたします。
今年は、7月10日の台風8号の襲来に始まり、8月2日の12号、8月
9日の11号、9月25日の16号、10月6日の18号、10月13日の
19号と例年になく、台風の当たり年となりました。
特に、8月の大雨を降らせた台風12号・徳島を直撃した11号の被害は
大きく、徳島県内各所に大きな爪痕を残しました。
農業施設への被害、また道路や水路の破損・路肩の崩壊など、車両の通行
や市民生活に支障をもたらす被害がありました。
新年を間近に控えたこの時期に、市民の皆さんが不便を感じることのない
ように、被災箇所の復旧工事は完了しているのでしょうか、現在の状況を質
問します。
次に「橋りょうの耐震化」について質問いたします。
発生確率が高まっております「南海トラフ巨大地震」への備えといたしま
して、「橋りょう」の耐震化対策は早急に講じなければなりません。
平成26年3月議会の市長所信では、大規模災害発生時の緊急避難路や復
旧時の輸送路など、道路ネットワークが確保できるように、市内の重要路線
上にある「橋りょう」については、「長寿命化修繕計画」と併せて「耐震化
基本計画」を今年度内に策定する。今後、国の「防災・安全交付金」などを
活用しながら「橋りょう」健全度を保つための補修工事として落橋防止等の
耐震補強工事を迅速かつ効果的に実施してまいります。とのことでした。
現在の進捗状況を質問いたします。
(答弁)岡田産業経済部次長
「台風による災害の復旧状況について」のご質問で、産業経済部に関する
状況について、ご答弁申し上げます。
8月の台風11号・12号による農業用施設の災害は、道路が3箇所、そ
のうち2箇所が補助災害対象工事となっており、10月31日に国の災害査
定を終え、事業決定前着工の承認を受け、緊急を要する1箇所については、
生活道としても利用しており、すでに工事発注済みです。残りの2箇所につ
いては、補正予算成立後に工事発注を行います。
また、台風11号による農業関係の被害としては、山川町一ツ石地区にお
いて降雨による山腹崩壊による土砂崩れにより、農業用倉庫2棟が倒壊し、
保管していた農機具12台が土砂に埋もれ、使用不能となり被害額は、1,
200万円でした。
鴨島町知恵島地区等において、強風や降雨により、14軒の農家のビニー
ルハウスや灌漑施設が被害を受け、被害額は730万円でした。
これらの台風被害については、同等の設備を修繕又は購入する事業に対し
て、市も負担を行い、国及び県の補助事業を活用して、被災農家の支援を行
ってまいります。
事業の進捗状況につきましては、本定例議会に補正予算を計上しておりま
すので、議決を頂き次第、速やかに実施して参ります。
(答弁)村田建設部次長
台風による被災箇所の復旧状況についてのご質問の内、建設課に関します
公共土木施設への被害、被災箇所の復旧状況について、ご答弁申し上げます。
まず、先の台風によります被害の状況でございますが、道路施設での路肩
の崩壊、斜面からの土砂崩れ、河川・水路への土砂の堆積など比較的小規模
なものが180件発生いたしました。
補修工事、土砂の取り除きなど施設の機能回復のため迅速な対応に努めま
して、現在までに、すべての箇所で復旧の作業を終えております。
また、11号台風では、一定規模の道路施設への被災が3箇所ございまし
た。
この内、鴨島町敷地地区の1件は、敷地池の外周道路であり路肩が崩壊し
通行ができない状況でありましたが、現在復旧工事の施工中で年内の竣工を
予定しております。
残る、2件につきましては、1つが川島町学の学島川沿いに位置しまして、
あと1つが山川町川田の大藤谷川沿いであります。
両施設共に河川への土砂の吸い出しに起因した道路構造物への被災であり
ました。
2件につきましては「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法」に基づき、
国庫補助によります災害復旧事業として補助申請を行っております。
この10月(28日)、国の関係職員によります現地での災害査定を受け、
復旧方法や復旧費用が決定いたしましたので、本議会に補正予算の承認をお
願いいたしているところでございます。
今後におきましては、予算承認いただき次第、復旧工事に向けて事業を進
めてまいりますが、この2件共に被災箇所が河川沿いの道路施設であること
から、来年の出水時期を向かえるまでに完成できるよう計画を進めてまいり
ます。
また現在、道路の被災により車輌等の通行ができず、地域の皆さまにはご
不便をおかけしていますが、工事完成までの間、迂回路など安全に配慮した
被災箇所の保全に努めたいと考えております。
「橋りょうの耐震化」についてのご質問について、ご答弁申し上げます。
本市では、今年3月に「橋梁長寿命化修繕計画」並びに「橋梁耐震化基本計
画」を策定いたしました。
この2つの計画では、「地震災害時における道路ネットワークの確保」を
計画の重点とし、吉野川市が管理します路線のうち、主要な路線、耐震化対
策に向けて緊急性の高い1次から3次の緊急輸送道路を補完する路線、およ
び、孤立集落対策として必要となる路線に架かります橋を本計画の対象橋梁
としております。
具体的に、「橋梁長寿命化修繕計画」では吉野川市が管理する677箇所
の橋梁が対象になりますが、この内、道路ネットワークとしての重要性が高
く、橋の長さが15メートル以上の橋218橋を当初計画の対象としていま
す。
この計画に基づきまして、来年度・平成27年度より計画的に対象橋梁の
修繕工事を進めることとしております。
次に、「橋梁耐震化基本計画」では、吉野川市が管理する橋梁の内、耐震
化対策が未実施の橋(658橋)を抽出した後、地震災害時に道路ネットワ
ークを確保するために必要な路線に架かる橋151橋から、橋の長さが10
メートル以上で有効幅員が2.5メートル以上の50橋を計画の対象として
います。
本計画に基づき、橋梁の耐震化を進めることで、地震災害時においても道
路ネットワークを確保し、防災拠点、避難施設、住居地及び緊急輸送道路を
結ぶことができると考えております。
なお、橋梁耐震化につきしては昨年度までに、緊急輸送道路を補完する路
線として重要な8箇所が施工済みであり、本年度は基本計画に基づき12箇
所を調査設計並びに耐震補強工事を実施する予定としています。
今後においても重要路線上の橋梁について長寿命化、耐震化を計画的に進
めてまいりますと共に、市が管理します橋梁の定期点検と日常的な維持管理
を継続的に実施してまいります。
(再問)
ありがとうございました。
今後も、地球温暖化の影響で毎年のように大型の台風が発生することが予
想されます。自然災害の被害を事前に防ぐことは難しい問題ですが、市民の
生命・財産を守るために努力して頂きたいと思います。
また万一の場合は、被災場所には迅速な対応をして頂くようお願いいたし
ます。
橋梁の耐震化については現在の進捗現状を、確認いたしました。
さて、本年度の当初予算で、橋りょうの耐震化に2億1千万円余りの額が
計上されています。
当初予定されていた12箇所について、調査設計、耐震補強工事が進めら
れているとのことですが、年度内に全ての計画箇所での完成ができるのでし
ょうか、詳細な進捗状況についておたずねします。
また、市が管理する橋りょうについては、「長寿命化修繕計画」と併せて
「耐震化基本計画」に基づく事業が進むことで、道路ネットワークが確保さ
れていくことは理解できますが、市が管理する橋りょうの数が多いことから、
2つの計画の対象とならなかった橋りょうについて不安はないのでしょうか。
規模の小さな橋りょうでも、生活道路の施設として大切な箇所もあると考
えます。
そこで質問ですが、吉野川市として今後どのような考えで、市内全域の橋
りょうの維持管理に取り組まれるのかおたずねします。
(答弁)村田建設部次長
再問に、ご答弁申し上げます。
まず、橋梁の耐震化についてでございますが、当初承認いただきました予
算の配分により事業計画をいたしております。
国の防災・安全社会資本整備総合交付金については年度当初に4割の減額
内示がされたため、計画通りの事業が実施できるよう追加での要望を行って
いるところでございます。
また、現在の進捗状況ですが、当初計画12箇所のうち、9箇所、調査設
計業務5件、耐震補強工事4件を発注しており年度内の完成を予定していま
す。
加えて、今年度より国の新たな指針に基づく橋梁の耐震補強計画の運用が
始まっております。
これにより、より詳細な調査項目が追加されたことで調査設計業務の費用
が不足することから、本議会で予算の振り替えをお願いしているところです。
次に、橋梁の維持管理についてでございますが、先ほどご答弁いたしまし
たとおり、本市では、市が管理します橋梁の定期点検と日常的な維持管理を
継続的に実施することとしております。
道路施設における予防保全型の維持管理につきましては、今年7月の道路
法の一部改正により、道路管理者は、橋梁,トンネル等の点検を近接目視に
より5年に1回の頻度で行われることになり、この点検・診断・措置の結果
をとりまとめ評価・公表を行うことが義務化され、メンテナンスサイクルを
確立する取り組みが初められています。
議員ご指摘の今回、計画の対象になっていない橋梁につきましてはこの点
検結果により計画の見直しがされるものと考えております。
今後も基本計画によります着実な維持管理と併せまして、より効果的な長
寿命化・耐震化対策を計画・実施してまいりますので、ご理解を賜りますよ
うお願いをいたします。
以上でございます。
(再々問)
今後における橋りょうの維持管理につきましては、より合理的な計画によ
り実施していただきたいと思います。
また、橋りょうの耐震化工事ですが、今後も市内各所の橋りょうで工事が
行われるとの事ですが、できるだけ市民生活に影響の出ないように工事を進
めて頂くようにお願いいたします。
川の多い本市において、橋りょうの健全度を保つことは非常に大切なこと
でありますので、しっかりと工事を進めていただきたいと思います。
介護問題について質問いたします。
超高齢化社会が始まりました。平成27年にはいわゆる「団塊の世代」昭
和22年?24年生まれ)の人たちが、すべて65歳以上となる節目の年を迎
えます。
それに伴って、認知症高齢者の増加も見込まれていることから、対策が急
がれています。9月議会におきましても、同僚議員からスクリーニングテス
トや認知症サポーター等の質問もございました。
認知症は老いにともなう病気の一つで、さまざまな原因で脳の細胞が死ぬ、
または働きが悪くなることによって、記憶力・判断力の障害が起こり、意識
障害はないものの社会生活や対人関係に支障が出ている状態をいいます。
我が国では、超高齢化の進展とともに、認知症の人数も増加しています。
認知症高齢者数は、2010年で280万人と言われています。今後、高
齢者人口の急増とともに認知症患者数も増加し、2020年には410万人
まで増加するとされています。
当然介護に占める認知症の比重は大きくなり、徘回症状などがあらわれると
見守り介護が必要になり、さらに身体的な介護も加わってきます。認知症の
介護には単なる優しさだけでは困難で、特殊な訓練が必要であると指摘され
るように、介護者は本人との直接的医療、介護スタッフとの交渉や経済的課
題にも向き合わなければならず、その結果家族介護者の果たす役割は大きい
と言えますが、介護の負担は大変なものです。
現在国の認知症政策の基本的な考えは、これまでの自宅、グループホーム、
施設あるいは一般病院や精神科病院というようなケアの流れを変え、逆の流
れとする 「状態に応じた適切なサービス提供の流れを構築すること」を基
本目標にしています。この実現のために7つの視点に立って施策を進めてい
くということで、
1つ目が 認知症の状態に応じた適切なサービスの提供、
2つ目が 早期診断・早期対応、
3つ目が 地域での生活を支える医療サービスの構築、
4つ目が 地域での生活を支える介護サービスの構築、
5つ目が 地域での日常生活・家族の支援の強化、
6つ目は 若年性認知症施策の強化、
7つ目が 医療・介護サービスを担う人材の育成となっています。
これまでのケアは、認知症の人が認知症行動・心理症状が発生してからの
事後的な対応が主なものとなっていました。今後目指すべきケアは、早期
・事前的な対応に基本を置くものとなっています。
そこで、1つ目の質問をしたいと思います。まずは市として認知症の人数
の把握が必要であると考えます。過去5年間に要介護認定を受けている65
歳以上の認知症の傾向がある高齢者の人数と認定審査会で医師の意見書が
ついている認知症の人数を把握しているのでしょうか。また、今後の推移
についてお聞きしたいと思います。
2つ目は、認知症サポーターについてです。認知症サポーターとは、認知
症に対して正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守り、支援する応
援者です。この認知症サポーターの取り組みや実績についてお聞きしたい
と思います。
3つ目では、専門家や専門医、病院、地域との連携が必要と考えますが、
市は現在どのような取り組みをしているのかお聞きします。
4つ目として、現在吉野川市内にあるグループホームなどの施設の数と
利用者数、また入所待機者があるのかをお聞きします。
(答弁)辻内健康福祉部長
岸田議員からの4項目のご質問の内、まず65歳以上の認知症の傾向があ
る方の人数、今後の推移について、ご答弁申し上げます。
本市の10月1日現在における65歳以上の高齢者人口は、平成22年が
12,997人、本年が14,028人と平成23年を除けば、右肩上が
りとなっており、この5年間で1,031人増加をいたしているところで
ございます。
要介護認定を受けている65歳以上で、認知症の傾向がある高齢者の人数
でございますが、厚生労働省が、65歳以上の高齢者の15%が有病者、
13%が軽度の認知障害と推計しておりますが、これを参考に推計いたし
ますと、28%が認知症とその予備群になると思われますので、平成22
年が3,639人、平成24年3,710人、本年が3,927人と推計
されます。
つぎに認定審査会で医師の意見書がついている認知症の人数でございます
が、認定調査における認知症高齢者の日常生活自立度判定基準人数は、ラ
ンク?の見守りがあればできると判定された方以上の重度者の人数は平成
22年が1,834人、平成23年1,872人、平成24年1,928
人、平成25年1,908人、本年が1,976人と平成25年を除けば
右肩上がりとなり、5年間で142人の増加となっています。
また、今後の推移につきまして、65歳以上の高齢者人口のピークは平成
31年に14,735人と推定されておりますが、これに認知症人数の割
合をかけてみますと、2,074人となりますが、団塊の世代と呼ばれて
いる方々の高齢化を考えると、これより多くなると懸念いたしております。
2点目の、認知症サポーターの取り組みや実績についてのご質問にご答弁
申し上げます。
効果的な、介護予防を行うためには、介護予防の必要性を感じ、それに取
り組んでいただける、意欲のある方や、元気な高齢者の皆さんが、さまざ
まな活動の中心となって行動していただくことによって、回りの人を元気
にする仕組みが、大切だと考えております。
本市におきましても、平成19年度から認知症サポーター養成講座を開催
しておりまして、昨年度までに1,173人の方がサポーターとなってお
り、本年度実施されました、介護予防教室やサポーター養成講座に参加さ
れた242人の方を含めますと約1,400人の方が認知症サポーターと
なっております。
近々に、社会福祉協議会を含む、介護関係事業所の職員向けに、また来年
の2月には市民を対象にしたサポーター養成講座を実施いたします。また、
来年早々にも、職員研修の一環として、サポーター養成講座を実施する計
画でございます。
各地域に出向き、認知症サポーター養成講座などの講師を努めております、
地域包括支援センターの本市保健師が、先月優秀キャラバンメイトとして
徳島県から表彰されましたが、本市の取り組みや職員の熱意が認められ、
光栄に思っているところでございます。
今後におきましても、引き続き自治会、職域、学校などに認知症サポータ
ー養成講座の出前講座を実施していく予定となっておりますので、皆様方
におかれましても、機会があれば是非受講していただき、地域において認
知症の方や、その家族を温かく見守っていただきたいと思います。
3点目の、専門家や病院、地域との連携についてどのように取り組みをし
ているのかのご質問に五藤弁申し上げます。
国が進める医療・介護の改革は、高度成長期から在宅医療・介護まで一連
のサービスを、地域において総合的に確保することで、地域における適切
な医療・介護サービスの提供体制を実現し、患者の早期の社会復帰を進め、
住み慣れた地域での継続的な生活を可能にするためのもので、効率的かつ
質の高い医療と地域包括ケアシステムの構築を目指しております。
介護保険においては、地域包括ケアシステムとして、団塊の世代が75歳
以上となる平成37年を目途に、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人
生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活
支援が一体的に提供される、そんなシステムづくりを目標としているとこ
ろでございます。
具体的な取り組みとしましては、在宅医療や介護提供体制の方向性、多職
種連携体制の構築、在宅医療連携拠点の整備などをどうしていくか検討す
るために、本市では、市医師会が中心となり、本年9月に、医師、看護婦、
介護施設や介護師、自治体が一堂に会する、在宅医療・介護連携拠点事業
協議会を立ち上げ、現在までに、2回の会議を開催しています。
今後におきましても、医療や介護に携わる多職種連携のための協議を、市
医師会では月1回のペースで進める予定となっているところであります。
4点目の、吉野川市内の数と利用者数、また入所待機者数についてご答弁
申し上げます。
施設サービスとして、介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び介護療養
型医療施設の3施設があります。この3施設の合計は、11施設となって
おり、10月1日現在、入所者は748名です。
地域密着型サービスには、認知症対応型共同生活介護(いわゆるグループ
ホーム)施設が9施設あり、245名の利用で、空きが4床となっており
ます。法改正以前からの市外の利用者が5名となっています。(待機者は
38名)
小規模多機能型居宅介護を行っている施設が、1施設で24名登録されて
おり、利用状況は通所22名、訪問10名、宿泊10名となっております。
また、特別養護老人ホームのユニット部分が法改正により地域密着型とな
った関係上、介護老人保健施設が1施設10名となっています。
介護保険制度における介護施設は、全部で22施設。利用者は1,027
名。空きが5。
待機者は重複人数となりますが、260名となっております。
再問
認知症の認定をされた高齢者が、平成22年に1,834人で本年平成26年に
1,976人とのことです。5年間で142人の増加があり、5年後・平成31年に
は、2,074人になると言うことですが、この認知症の問題は今後増加の一
途をたどると思われます。もう少し先を見て、10年後の2025年の予
測をしてみましょう。
この将来推計の数字は、国立社会保障・人口問題研究所が発表している将
来人口推計を参考にしたものです。
これによりますと、認知症高齢者の日常生活自立度?以上の高齢者数は2
010年に280万人で高齢者の9.5%、2025年には470万人で
高齢者の12.8%になると推計されています。そして日本の人口も、2
010年の1億2805万人から2025年には1億2065万人に減少
しています。
この推計値を吉野川市に当てはめてみると、2010年は1834人で高
齢者の13.7%が、2025年には3078人で高齢者の20.5%が
認知症高齢者となります。
そして2025年の吉野川市の人口は、推定値で37393人に減少して
います。人口の40%が65歳以上の高齢者、そのうちの約2割が認知症
となっているという恐ろしい推計値です。
高齢者保健福祉計画や介護保険事業計画は、長期にわたって取り組むべき
問題で、ゴールはありません。
現在は、3年を1期として見直していますが、3年先の目の前の状況を見
て策定するのではなく、10年後の推計を見据えて3年後の計画を策定す
るという、長期的な視野をもって頂きたいと思います。
また、認知症サポーターへの取り組みにつきましては、養成講座等の開催
で職員の皆さんが努力をされている結果が県からの表彰と言う形で現れて
きています。今後ともしっかりと取り組んでもらいたいと思います。
さて、認知症の大部分を占めるアルツハイマー型や脳血管性認知症は、生
活習慣病(高血圧・糖尿病・高脂血症など)との関連があるとされていま
す。
普段の食事や、定期的な運動習慣などの生活管理が認知症の予防につなが
ることが判ってきています。
認知症の早期発見・早期治療には早めの専門医にかかることも大切です。
専門医との連携については、幸いにも、吉野川市内には徳島病院に「もの
忘れ外来」があります。
物忘れ外来では、最初に、症状が認知症によるものかどうかを診断します。
もし認知症だとしたら、その原因を調査します。認知症は家族からの温か
い見守り、薬物服用、適切なリハビリテーションなどにより進行を遅らせ
ることができます。大切なのはなるべく早くから治療を開始することです。
市の福祉計画では、介護予防や生活習慣病予防の事業を行っていますが、
次期の計画では、どのような予防事業を行うのでしょうか、お聞きします。
また、認知症高齢者の介護についてお聞きします
認知症高齢者約280万人の居場所別内訳を見てみますと、約半数の14
0万人が自宅で生活しています。あとの半数は、グループホーム・介護老
人福祉施設・介護老人保健施設・特定施設・医療機関などに入所していま
す。
自宅で生活している人たちは、家族(とりわけ女性)が介護者となってお
り、要介護者からみた主な介護者の続柄を観ると、6割以上が同居してい
る人が主な介護者となっていて、その内訳は、配偶者が26%、子が21
%、子の配偶者が15%となっており、性別では男性が31%・女性が6
9%と女性が多くなっています。
また、主な介護者の年齢についてみると、男性の65%・女性の61%が
60歳以上であり、いわゆる「老老介護」が相当数存在しています。
先ほどのグラフでも示されるように10年後には吉野川市内の65歳以上の高
齢者が、4割という数字になっています。
これからは「老々介護」が当たり前の時代に突入します。
そして、高齢者の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加して行く傾向にあるの
で、認知症高齢者の受け皿が自宅の外に必要となってきます。
厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会では「認知症施策の推進につい
て」の中で、今後の認知症施策の方向性について「認知症になっても本人
の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続ける
ことができる社会」の実現を目指す。 と示されています。
今後の認知症高齢者の増加に対応するために吉野川市内では、受け皿とな
るグループホームの施設数が不足すると思われます。特に、人口の多い鴨
島地区には、グループホームの設置が早急に必要と思われます。
また、家庭内介護における家族の負担軽減を図るためには、きめ細やかな
訪問介護等の地域密着型サービスの充実も必要と思われます。
次期の吉野川市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画では、介護保険サ
ービスや施設の充実計画についてどのように考えているのか、再問いたし
ます。
(答弁)辻内健康福祉部長
第6期計画では、どのような介護予防や生活習慣病の予防事業を行うのか
についてご答弁申し上げます。
現在、65歳以上の方全てを対象に、実施しております一次介護予防事業
につきましては、一般介護予防事業として、従来からの予防事業を引き続
き実施する予定となっております。
これに加え、新たな事業として、地域リハビリテーション活動支援事業を、
モデル的に実施したいと考えています。この事業は、地域住民がグループ
で活動しているところに、リハビリテーション専門職の理学療法士等を派
遣し、腰が痛かったり、膝が痛かってもできる、介護予防体操等を指導し
ていただき、定期的に住民の皆さんと関与することにより、要介護状態に
なっても、参加できる場を地域に展開するものでございます。
この事業により、高齢者の社会参加の促進を図り、支援を必要とする高齢
者への支援の担い手として、参加することで認定に至らない高齢者の増加
」が期待できます。
今後は、この事業を拡大することで、住民主体のグループを増やして、地
域における健康づくりや憩いの場が提供でき、顔の見える関係をつくるよ
うな、地域コミュニティとして、展開していきたいと考えております。
つぎに、6期計画におきます介護保険サービスや施設の充実計画について
ご答弁申し上げます。
第6期計画については、現在、策定作業を進めているところでございます
が、サービスの充実については、先に申し上げましたとおり地域包括ケア
システムの構築に向け、地域支援事業の充実を図ってまいりたいと考えて
おります。
施設サービス3施設におきましては、県が市町村の要望により、県下的な
視野でバランスを考えた計画を策定するため、すべて満床となっており、
待機者もおいでますが、県の動向を見守りたいと考えております。
議員ご指摘のように、超高齢化時代を迎え、中期的な検討も加えた場合、
地域密着型サービスを充実し、要介護状態になっても住み慣れた地域で自
分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・
予防・住まい・生活支援を一体的に提供する必要があると考えています。
加えて、来年4月からは、介護老人福祉施設(特養)への新規入所者が、
原則要介護3以上に限定されますので、在宅での生活が困難な、比較的軽
度の要介護者の受け入れ先について、対応を考えていかなければなりませ
ん。しかし、そのために、地域密着型サービス施設を増設いたしますと、
介護保険料の増加にもつながりますので、介護保険事業計画策定委員会に
おきまして、今後、慎重に協議を重ね、判断をしてまいりたいと考えてい
ます。
再々問 要望
第6期計画においては、介護予防や生活習慣病の予防事業に力を入れて、
高齢者の皆さんが元気に社会活動に参加できるように、また地域ぐるみで
取り組んでいけるような計画を立てて頂きたいと思います。
地域密着型サービスにおきましては、地域によってばらつきがあり、鴨
島地区では多数の方がグループホームの入所待機者となっていると聞いて
おります。市内の人口割合からみても今後ますます待機者が増加すると予
想されますので、早めの施設増設計画をお願いいたします。
超高齢化が今後ますます加速されてゆくことは明らかでありますし、認知
症のかたの増加も十分に予測されます、現在策定中の第6期計画におきま
しても、十分このことを加味して頂き、「認知症になっても本人の意思が
尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることがで
きる社会」の実現を目指し、市民の皆さんが安心して老後を暮らせる吉野
川市となることを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
平成26年12月8日(月)16時05分から
1.道路橋梁の災害に対する整備状況について
(1)本年度の台風により被災した道路等の災害復旧事業の進捗は
(2)橋梁耐震化事業の進捗と今後の計画は
2.介護支援について
(1)認知症患者の把握はできているのか
(2)認知症サポーターはどのような取組をしているのが
(3)他の専門機関との連携は
(4)市内グループホームなどの施設数と利用者数及び待機者数は
(質問)
議長の許可を頂いたので、通告書に従って質問を行います。
まず最初に、今年全国各地に大きな被害をもたらせた台風被害について質問
いたします。
今年は、7月10日の台風8号の襲来に始まり、8月2日の12号、8月
9日の11号、9月25日の16号、10月6日の18号、10月13日の
19号と例年になく、台風の当たり年となりました。
特に、8月の大雨を降らせた台風12号・徳島を直撃した11号の被害は
大きく、徳島県内各所に大きな爪痕を残しました。
農業施設への被害、また道路や水路の破損・路肩の崩壊など、車両の通行
や市民生活に支障をもたらす被害がありました。
新年を間近に控えたこの時期に、市民の皆さんが不便を感じることのない
ように、被災箇所の復旧工事は完了しているのでしょうか、現在の状況を質
問します。
次に「橋りょうの耐震化」について質問いたします。
発生確率が高まっております「南海トラフ巨大地震」への備えといたしま
して、「橋りょう」の耐震化対策は早急に講じなければなりません。
平成26年3月議会の市長所信では、大規模災害発生時の緊急避難路や復
旧時の輸送路など、道路ネットワークが確保できるように、市内の重要路線
上にある「橋りょう」については、「長寿命化修繕計画」と併せて「耐震化
基本計画」を今年度内に策定する。今後、国の「防災・安全交付金」などを
活用しながら「橋りょう」健全度を保つための補修工事として落橋防止等の
耐震補強工事を迅速かつ効果的に実施してまいります。とのことでした。
現在の進捗状況を質問いたします。
(答弁)岡田産業経済部次長
「台風による災害の復旧状況について」のご質問で、産業経済部に関する
状況について、ご答弁申し上げます。
8月の台風11号・12号による農業用施設の災害は、道路が3箇所、そ
のうち2箇所が補助災害対象工事となっており、10月31日に国の災害査
定を終え、事業決定前着工の承認を受け、緊急を要する1箇所については、
生活道としても利用しており、すでに工事発注済みです。残りの2箇所につ
いては、補正予算成立後に工事発注を行います。
また、台風11号による農業関係の被害としては、山川町一ツ石地区にお
いて降雨による山腹崩壊による土砂崩れにより、農業用倉庫2棟が倒壊し、
保管していた農機具12台が土砂に埋もれ、使用不能となり被害額は、1,
200万円でした。
鴨島町知恵島地区等において、強風や降雨により、14軒の農家のビニー
ルハウスや灌漑施設が被害を受け、被害額は730万円でした。
これらの台風被害については、同等の設備を修繕又は購入する事業に対し
て、市も負担を行い、国及び県の補助事業を活用して、被災農家の支援を行
ってまいります。
事業の進捗状況につきましては、本定例議会に補正予算を計上しておりま
すので、議決を頂き次第、速やかに実施して参ります。
(答弁)村田建設部次長
台風による被災箇所の復旧状況についてのご質問の内、建設課に関します
公共土木施設への被害、被災箇所の復旧状況について、ご答弁申し上げます。
まず、先の台風によります被害の状況でございますが、道路施設での路肩
の崩壊、斜面からの土砂崩れ、河川・水路への土砂の堆積など比較的小規模
なものが180件発生いたしました。
補修工事、土砂の取り除きなど施設の機能回復のため迅速な対応に努めま
して、現在までに、すべての箇所で復旧の作業を終えております。
また、11号台風では、一定規模の道路施設への被災が3箇所ございまし
た。
この内、鴨島町敷地地区の1件は、敷地池の外周道路であり路肩が崩壊し
通行ができない状況でありましたが、現在復旧工事の施工中で年内の竣工を
予定しております。
残る、2件につきましては、1つが川島町学の学島川沿いに位置しまして、
あと1つが山川町川田の大藤谷川沿いであります。
両施設共に河川への土砂の吸い出しに起因した道路構造物への被災であり
ました。
2件につきましては「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法」に基づき、
国庫補助によります災害復旧事業として補助申請を行っております。
この10月(28日)、国の関係職員によります現地での災害査定を受け、
復旧方法や復旧費用が決定いたしましたので、本議会に補正予算の承認をお
願いいたしているところでございます。
今後におきましては、予算承認いただき次第、復旧工事に向けて事業を進
めてまいりますが、この2件共に被災箇所が河川沿いの道路施設であること
から、来年の出水時期を向かえるまでに完成できるよう計画を進めてまいり
ます。
また現在、道路の被災により車輌等の通行ができず、地域の皆さまにはご
不便をおかけしていますが、工事完成までの間、迂回路など安全に配慮した
被災箇所の保全に努めたいと考えております。
「橋りょうの耐震化」についてのご質問について、ご答弁申し上げます。
本市では、今年3月に「橋梁長寿命化修繕計画」並びに「橋梁耐震化基本計
画」を策定いたしました。
この2つの計画では、「地震災害時における道路ネットワークの確保」を
計画の重点とし、吉野川市が管理します路線のうち、主要な路線、耐震化対
策に向けて緊急性の高い1次から3次の緊急輸送道路を補完する路線、およ
び、孤立集落対策として必要となる路線に架かります橋を本計画の対象橋梁
としております。
具体的に、「橋梁長寿命化修繕計画」では吉野川市が管理する677箇所
の橋梁が対象になりますが、この内、道路ネットワークとしての重要性が高
く、橋の長さが15メートル以上の橋218橋を当初計画の対象としていま
す。
この計画に基づきまして、来年度・平成27年度より計画的に対象橋梁の
修繕工事を進めることとしております。
次に、「橋梁耐震化基本計画」では、吉野川市が管理する橋梁の内、耐震
化対策が未実施の橋(658橋)を抽出した後、地震災害時に道路ネットワ
ークを確保するために必要な路線に架かる橋151橋から、橋の長さが10
メートル以上で有効幅員が2.5メートル以上の50橋を計画の対象として
います。
本計画に基づき、橋梁の耐震化を進めることで、地震災害時においても道
路ネットワークを確保し、防災拠点、避難施設、住居地及び緊急輸送道路を
結ぶことができると考えております。
なお、橋梁耐震化につきしては昨年度までに、緊急輸送道路を補完する路
線として重要な8箇所が施工済みであり、本年度は基本計画に基づき12箇
所を調査設計並びに耐震補強工事を実施する予定としています。
今後においても重要路線上の橋梁について長寿命化、耐震化を計画的に進
めてまいりますと共に、市が管理します橋梁の定期点検と日常的な維持管理
を継続的に実施してまいります。
(再問)
ありがとうございました。
今後も、地球温暖化の影響で毎年のように大型の台風が発生することが予
想されます。自然災害の被害を事前に防ぐことは難しい問題ですが、市民の
生命・財産を守るために努力して頂きたいと思います。
また万一の場合は、被災場所には迅速な対応をして頂くようお願いいたし
ます。
橋梁の耐震化については現在の進捗現状を、確認いたしました。
さて、本年度の当初予算で、橋りょうの耐震化に2億1千万円余りの額が
計上されています。
当初予定されていた12箇所について、調査設計、耐震補強工事が進めら
れているとのことですが、年度内に全ての計画箇所での完成ができるのでし
ょうか、詳細な進捗状況についておたずねします。
また、市が管理する橋りょうについては、「長寿命化修繕計画」と併せて
「耐震化基本計画」に基づく事業が進むことで、道路ネットワークが確保さ
れていくことは理解できますが、市が管理する橋りょうの数が多いことから、
2つの計画の対象とならなかった橋りょうについて不安はないのでしょうか。
規模の小さな橋りょうでも、生活道路の施設として大切な箇所もあると考
えます。
そこで質問ですが、吉野川市として今後どのような考えで、市内全域の橋
りょうの維持管理に取り組まれるのかおたずねします。
(答弁)村田建設部次長
再問に、ご答弁申し上げます。
まず、橋梁の耐震化についてでございますが、当初承認いただきました予
算の配分により事業計画をいたしております。
国の防災・安全社会資本整備総合交付金については年度当初に4割の減額
内示がされたため、計画通りの事業が実施できるよう追加での要望を行って
いるところでございます。
また、現在の進捗状況ですが、当初計画12箇所のうち、9箇所、調査設
計業務5件、耐震補強工事4件を発注しており年度内の完成を予定していま
す。
加えて、今年度より国の新たな指針に基づく橋梁の耐震補強計画の運用が
始まっております。
これにより、より詳細な調査項目が追加されたことで調査設計業務の費用
が不足することから、本議会で予算の振り替えをお願いしているところです。
次に、橋梁の維持管理についてでございますが、先ほどご答弁いたしまし
たとおり、本市では、市が管理します橋梁の定期点検と日常的な維持管理を
継続的に実施することとしております。
道路施設における予防保全型の維持管理につきましては、今年7月の道路
法の一部改正により、道路管理者は、橋梁,トンネル等の点検を近接目視に
より5年に1回の頻度で行われることになり、この点検・診断・措置の結果
をとりまとめ評価・公表を行うことが義務化され、メンテナンスサイクルを
確立する取り組みが初められています。
議員ご指摘の今回、計画の対象になっていない橋梁につきましてはこの点
検結果により計画の見直しがされるものと考えております。
今後も基本計画によります着実な維持管理と併せまして、より効果的な長
寿命化・耐震化対策を計画・実施してまいりますので、ご理解を賜りますよ
うお願いをいたします。
以上でございます。
(再々問)
今後における橋りょうの維持管理につきましては、より合理的な計画によ
り実施していただきたいと思います。
また、橋りょうの耐震化工事ですが、今後も市内各所の橋りょうで工事が
行われるとの事ですが、できるだけ市民生活に影響の出ないように工事を進
めて頂くようにお願いいたします。
川の多い本市において、橋りょうの健全度を保つことは非常に大切なこと
でありますので、しっかりと工事を進めていただきたいと思います。
介護問題について質問いたします。
超高齢化社会が始まりました。平成27年にはいわゆる「団塊の世代」昭
和22年?24年生まれ)の人たちが、すべて65歳以上となる節目の年を迎
えます。
それに伴って、認知症高齢者の増加も見込まれていることから、対策が急
がれています。9月議会におきましても、同僚議員からスクリーニングテス
トや認知症サポーター等の質問もございました。
認知症は老いにともなう病気の一つで、さまざまな原因で脳の細胞が死ぬ、
または働きが悪くなることによって、記憶力・判断力の障害が起こり、意識
障害はないものの社会生活や対人関係に支障が出ている状態をいいます。
我が国では、超高齢化の進展とともに、認知症の人数も増加しています。
認知症高齢者数は、2010年で280万人と言われています。今後、高
齢者人口の急増とともに認知症患者数も増加し、2020年には410万人
まで増加するとされています。
当然介護に占める認知症の比重は大きくなり、徘回症状などがあらわれると
見守り介護が必要になり、さらに身体的な介護も加わってきます。認知症の
介護には単なる優しさだけでは困難で、特殊な訓練が必要であると指摘され
るように、介護者は本人との直接的医療、介護スタッフとの交渉や経済的課
題にも向き合わなければならず、その結果家族介護者の果たす役割は大きい
と言えますが、介護の負担は大変なものです。
現在国の認知症政策の基本的な考えは、これまでの自宅、グループホーム、
施設あるいは一般病院や精神科病院というようなケアの流れを変え、逆の流
れとする 「状態に応じた適切なサービス提供の流れを構築すること」を基
本目標にしています。この実現のために7つの視点に立って施策を進めてい
くということで、
1つ目が 認知症の状態に応じた適切なサービスの提供、
2つ目が 早期診断・早期対応、
3つ目が 地域での生活を支える医療サービスの構築、
4つ目が 地域での生活を支える介護サービスの構築、
5つ目が 地域での日常生活・家族の支援の強化、
6つ目は 若年性認知症施策の強化、
7つ目が 医療・介護サービスを担う人材の育成となっています。
これまでのケアは、認知症の人が認知症行動・心理症状が発生してからの
事後的な対応が主なものとなっていました。今後目指すべきケアは、早期
・事前的な対応に基本を置くものとなっています。
そこで、1つ目の質問をしたいと思います。まずは市として認知症の人数
の把握が必要であると考えます。過去5年間に要介護認定を受けている65
歳以上の認知症の傾向がある高齢者の人数と認定審査会で医師の意見書が
ついている認知症の人数を把握しているのでしょうか。また、今後の推移
についてお聞きしたいと思います。
2つ目は、認知症サポーターについてです。認知症サポーターとは、認知
症に対して正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守り、支援する応
援者です。この認知症サポーターの取り組みや実績についてお聞きしたい
と思います。
3つ目では、専門家や専門医、病院、地域との連携が必要と考えますが、
市は現在どのような取り組みをしているのかお聞きします。
4つ目として、現在吉野川市内にあるグループホームなどの施設の数と
利用者数、また入所待機者があるのかをお聞きします。
(答弁)辻内健康福祉部長
岸田議員からの4項目のご質問の内、まず65歳以上の認知症の傾向があ
る方の人数、今後の推移について、ご答弁申し上げます。
本市の10月1日現在における65歳以上の高齢者人口は、平成22年が
12,997人、本年が14,028人と平成23年を除けば、右肩上が
りとなっており、この5年間で1,031人増加をいたしているところで
ございます。
要介護認定を受けている65歳以上で、認知症の傾向がある高齢者の人数
でございますが、厚生労働省が、65歳以上の高齢者の15%が有病者、
13%が軽度の認知障害と推計しておりますが、これを参考に推計いたし
ますと、28%が認知症とその予備群になると思われますので、平成22
年が3,639人、平成24年3,710人、本年が3,927人と推計
されます。
つぎに認定審査会で医師の意見書がついている認知症の人数でございます
が、認定調査における認知症高齢者の日常生活自立度判定基準人数は、ラ
ンク?の見守りがあればできると判定された方以上の重度者の人数は平成
22年が1,834人、平成23年1,872人、平成24年1,928
人、平成25年1,908人、本年が1,976人と平成25年を除けば
右肩上がりとなり、5年間で142人の増加となっています。
また、今後の推移につきまして、65歳以上の高齢者人口のピークは平成
31年に14,735人と推定されておりますが、これに認知症人数の割
合をかけてみますと、2,074人となりますが、団塊の世代と呼ばれて
いる方々の高齢化を考えると、これより多くなると懸念いたしております。
2点目の、認知症サポーターの取り組みや実績についてのご質問にご答弁
申し上げます。
効果的な、介護予防を行うためには、介護予防の必要性を感じ、それに取
り組んでいただける、意欲のある方や、元気な高齢者の皆さんが、さまざ
まな活動の中心となって行動していただくことによって、回りの人を元気
にする仕組みが、大切だと考えております。
本市におきましても、平成19年度から認知症サポーター養成講座を開催
しておりまして、昨年度までに1,173人の方がサポーターとなってお
り、本年度実施されました、介護予防教室やサポーター養成講座に参加さ
れた242人の方を含めますと約1,400人の方が認知症サポーターと
なっております。
近々に、社会福祉協議会を含む、介護関係事業所の職員向けに、また来年
の2月には市民を対象にしたサポーター養成講座を実施いたします。また、
来年早々にも、職員研修の一環として、サポーター養成講座を実施する計
画でございます。
各地域に出向き、認知症サポーター養成講座などの講師を努めております、
地域包括支援センターの本市保健師が、先月優秀キャラバンメイトとして
徳島県から表彰されましたが、本市の取り組みや職員の熱意が認められ、
光栄に思っているところでございます。
今後におきましても、引き続き自治会、職域、学校などに認知症サポータ
ー養成講座の出前講座を実施していく予定となっておりますので、皆様方
におかれましても、機会があれば是非受講していただき、地域において認
知症の方や、その家族を温かく見守っていただきたいと思います。
3点目の、専門家や病院、地域との連携についてどのように取り組みをし
ているのかのご質問に五藤弁申し上げます。
国が進める医療・介護の改革は、高度成長期から在宅医療・介護まで一連
のサービスを、地域において総合的に確保することで、地域における適切
な医療・介護サービスの提供体制を実現し、患者の早期の社会復帰を進め、
住み慣れた地域での継続的な生活を可能にするためのもので、効率的かつ
質の高い医療と地域包括ケアシステムの構築を目指しております。
介護保険においては、地域包括ケアシステムとして、団塊の世代が75歳
以上となる平成37年を目途に、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人
生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活
支援が一体的に提供される、そんなシステムづくりを目標としているとこ
ろでございます。
具体的な取り組みとしましては、在宅医療や介護提供体制の方向性、多職
種連携体制の構築、在宅医療連携拠点の整備などをどうしていくか検討す
るために、本市では、市医師会が中心となり、本年9月に、医師、看護婦、
介護施設や介護師、自治体が一堂に会する、在宅医療・介護連携拠点事業
協議会を立ち上げ、現在までに、2回の会議を開催しています。
今後におきましても、医療や介護に携わる多職種連携のための協議を、市
医師会では月1回のペースで進める予定となっているところであります。
4点目の、吉野川市内の数と利用者数、また入所待機者数についてご答弁
申し上げます。
施設サービスとして、介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び介護療養
型医療施設の3施設があります。この3施設の合計は、11施設となって
おり、10月1日現在、入所者は748名です。
地域密着型サービスには、認知症対応型共同生活介護(いわゆるグループ
ホーム)施設が9施設あり、245名の利用で、空きが4床となっており
ます。法改正以前からの市外の利用者が5名となっています。(待機者は
38名)
小規模多機能型居宅介護を行っている施設が、1施設で24名登録されて
おり、利用状況は通所22名、訪問10名、宿泊10名となっております。
また、特別養護老人ホームのユニット部分が法改正により地域密着型とな
った関係上、介護老人保健施設が1施設10名となっています。
介護保険制度における介護施設は、全部で22施設。利用者は1,027
名。空きが5。
待機者は重複人数となりますが、260名となっております。
再問
認知症の認定をされた高齢者が、平成22年に1,834人で本年平成26年に
1,976人とのことです。5年間で142人の増加があり、5年後・平成31年に
は、2,074人になると言うことですが、この認知症の問題は今後増加の一
途をたどると思われます。もう少し先を見て、10年後の2025年の予
測をしてみましょう。
この将来推計の数字は、国立社会保障・人口問題研究所が発表している将
来人口推計を参考にしたものです。
これによりますと、認知症高齢者の日常生活自立度?以上の高齢者数は2
010年に280万人で高齢者の9.5%、2025年には470万人で
高齢者の12.8%になると推計されています。そして日本の人口も、2
010年の1億2805万人から2025年には1億2065万人に減少
しています。
この推計値を吉野川市に当てはめてみると、2010年は1834人で高
齢者の13.7%が、2025年には3078人で高齢者の20.5%が
認知症高齢者となります。
そして2025年の吉野川市の人口は、推定値で37393人に減少して
います。人口の40%が65歳以上の高齢者、そのうちの約2割が認知症
となっているという恐ろしい推計値です。
高齢者保健福祉計画や介護保険事業計画は、長期にわたって取り組むべき
問題で、ゴールはありません。
現在は、3年を1期として見直していますが、3年先の目の前の状況を見
て策定するのではなく、10年後の推計を見据えて3年後の計画を策定す
るという、長期的な視野をもって頂きたいと思います。
また、認知症サポーターへの取り組みにつきましては、養成講座等の開催
で職員の皆さんが努力をされている結果が県からの表彰と言う形で現れて
きています。今後ともしっかりと取り組んでもらいたいと思います。
さて、認知症の大部分を占めるアルツハイマー型や脳血管性認知症は、生
活習慣病(高血圧・糖尿病・高脂血症など)との関連があるとされていま
す。
普段の食事や、定期的な運動習慣などの生活管理が認知症の予防につなが
ることが判ってきています。
認知症の早期発見・早期治療には早めの専門医にかかることも大切です。
専門医との連携については、幸いにも、吉野川市内には徳島病院に「もの
忘れ外来」があります。
物忘れ外来では、最初に、症状が認知症によるものかどうかを診断します。
もし認知症だとしたら、その原因を調査します。認知症は家族からの温か
い見守り、薬物服用、適切なリハビリテーションなどにより進行を遅らせ
ることができます。大切なのはなるべく早くから治療を開始することです。
市の福祉計画では、介護予防や生活習慣病予防の事業を行っていますが、
次期の計画では、どのような予防事業を行うのでしょうか、お聞きします。
また、認知症高齢者の介護についてお聞きします
認知症高齢者約280万人の居場所別内訳を見てみますと、約半数の14
0万人が自宅で生活しています。あとの半数は、グループホーム・介護老
人福祉施設・介護老人保健施設・特定施設・医療機関などに入所していま
す。
自宅で生活している人たちは、家族(とりわけ女性)が介護者となってお
り、要介護者からみた主な介護者の続柄を観ると、6割以上が同居してい
る人が主な介護者となっていて、その内訳は、配偶者が26%、子が21
%、子の配偶者が15%となっており、性別では男性が31%・女性が6
9%と女性が多くなっています。
また、主な介護者の年齢についてみると、男性の65%・女性の61%が
60歳以上であり、いわゆる「老老介護」が相当数存在しています。
先ほどのグラフでも示されるように10年後には吉野川市内の65歳以上の高
齢者が、4割という数字になっています。
これからは「老々介護」が当たり前の時代に突入します。
そして、高齢者の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加して行く傾向にあるの
で、認知症高齢者の受け皿が自宅の外に必要となってきます。
厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会では「認知症施策の推進につい
て」の中で、今後の認知症施策の方向性について「認知症になっても本人
の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続ける
ことができる社会」の実現を目指す。 と示されています。
今後の認知症高齢者の増加に対応するために吉野川市内では、受け皿とな
るグループホームの施設数が不足すると思われます。特に、人口の多い鴨
島地区には、グループホームの設置が早急に必要と思われます。
また、家庭内介護における家族の負担軽減を図るためには、きめ細やかな
訪問介護等の地域密着型サービスの充実も必要と思われます。
次期の吉野川市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画では、介護保険サ
ービスや施設の充実計画についてどのように考えているのか、再問いたし
ます。
(答弁)辻内健康福祉部長
第6期計画では、どのような介護予防や生活習慣病の予防事業を行うのか
についてご答弁申し上げます。
現在、65歳以上の方全てを対象に、実施しております一次介護予防事業
につきましては、一般介護予防事業として、従来からの予防事業を引き続
き実施する予定となっております。
これに加え、新たな事業として、地域リハビリテーション活動支援事業を、
モデル的に実施したいと考えています。この事業は、地域住民がグループ
で活動しているところに、リハビリテーション専門職の理学療法士等を派
遣し、腰が痛かったり、膝が痛かってもできる、介護予防体操等を指導し
ていただき、定期的に住民の皆さんと関与することにより、要介護状態に
なっても、参加できる場を地域に展開するものでございます。
この事業により、高齢者の社会参加の促進を図り、支援を必要とする高齢
者への支援の担い手として、参加することで認定に至らない高齢者の増加
」が期待できます。
今後は、この事業を拡大することで、住民主体のグループを増やして、地
域における健康づくりや憩いの場が提供でき、顔の見える関係をつくるよ
うな、地域コミュニティとして、展開していきたいと考えております。
つぎに、6期計画におきます介護保険サービスや施設の充実計画について
ご答弁申し上げます。
第6期計画については、現在、策定作業を進めているところでございます
が、サービスの充実については、先に申し上げましたとおり地域包括ケア
システムの構築に向け、地域支援事業の充実を図ってまいりたいと考えて
おります。
施設サービス3施設におきましては、県が市町村の要望により、県下的な
視野でバランスを考えた計画を策定するため、すべて満床となっており、
待機者もおいでますが、県の動向を見守りたいと考えております。
議員ご指摘のように、超高齢化時代を迎え、中期的な検討も加えた場合、
地域密着型サービスを充実し、要介護状態になっても住み慣れた地域で自
分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・
予防・住まい・生活支援を一体的に提供する必要があると考えています。
加えて、来年4月からは、介護老人福祉施設(特養)への新規入所者が、
原則要介護3以上に限定されますので、在宅での生活が困難な、比較的軽
度の要介護者の受け入れ先について、対応を考えていかなければなりませ
ん。しかし、そのために、地域密着型サービス施設を増設いたしますと、
介護保険料の増加にもつながりますので、介護保険事業計画策定委員会に
おきまして、今後、慎重に協議を重ね、判断をしてまいりたいと考えてい
ます。
再々問 要望
第6期計画においては、介護予防や生活習慣病の予防事業に力を入れて、
高齢者の皆さんが元気に社会活動に参加できるように、また地域ぐるみで
取り組んでいけるような計画を立てて頂きたいと思います。
地域密着型サービスにおきましては、地域によってばらつきがあり、鴨
島地区では多数の方がグループホームの入所待機者となっていると聞いて
おります。市内の人口割合からみても今後ますます待機者が増加すると予
想されますので、早めの施設増設計画をお願いいたします。
超高齢化が今後ますます加速されてゆくことは明らかでありますし、認知
症のかたの増加も十分に予測されます、現在策定中の第6期計画におきま
しても、十分このことを加味して頂き、「認知症になっても本人の意思が
尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることがで
きる社会」の実現を目指し、市民の皆さんが安心して老後を暮らせる吉野
川市となることを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
今後の予定
- 11月27日 俳句の会
- 11月29日 バレーボール練習
- 11月30日 近畿至誠会
- 12月1日 NPO法人江川エコフレンド定期清掃作業
- 12月1日 鴨島地区人権フェスティバル
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